【2021年】新年を迎えて  理事長 河野久忠

新年あけましておめでとうごいます。

平素より当法人の活動にご理解・ご支援いただきまことにありがとうございます。

 

 昨年を振り返ってみますと、いつ終わるか分からないコロナ禍で世の中の状況が大きく変化し、若者にとってもより困難が多い時代となってきました。YSCとしても支援出来ることをすこしでもと考え、コロナの影響で、雇止めにあった方たちに、履歴書の空白を作らず、就労へとつなげるための、「歩みを止めるな・コロナ禍による雇止め若年者再雇用支援事業」を実施。少数ながら、ブランクを作ることなく就労に結びつけることが出来ました。

 

 他の同事業を実施している団体さんにも広く参加してもらえるような仕組みになればと期待し今後も支援をしていきたいと考えております。

 

本部玄関に飾られた八百万の神を呼んだしめ飾り

 

 未曽有のコロナ禍により、若者支援の有りようや福祉的な支援の在り方も変化を余儀なくされると考えます。

 

 学校現場においても、新入生を筆頭に、オンライン授業や友達作りが上手くいかずに不登校になっている子どもや若者が増加しています。

 

 ひきこもり支援事業においては、10代から20代前半のご相談が多くなりました。外出を推奨しない世の中で、不登校や中途退学等の子どもたちも増え、自宅で孤立しネットやゲームに没頭し、それに危機感を持った保護者のご相談が増加しています。

 

 就労に関しては、内定取り消しも含めて希望の職種に就けない状況が広がっています。高齢化した就職氷河期の支援に力をと言っている矢先に、コロナ氷河期が生まれる状況となってしまいました。若者サポートステーションの利用者の状況を見ても、夏以降はブランクの短い方(コロナの影響で離職)の利用率が高まってきています。

 

 11月には、八王子市において「若者総合相談センター」を受託運営開始しました。若者支援(15~39歳)に特化しての相談センターの運営は、コロナ禍の中で、孤立傾向になる若者たちや、その保護者に対しての早期対応の入り口として大きな意味があると考えます。

 

 また、地域の人々のネットワークも積極的に構築し、今後変化していく働き方にも柔軟に対応できる体制を構築していこうと考えています。

 

 一方長期化したひきこもり群像の支援に関しては、当事者会や家族会、困窮者支援等様々な方々が活発な支援を実施しています。しかしながら、ひきこもり問題は幅広い支援であり、多様な支援を必要としていますが、支援の有りようのすり合わせが不十分と感じます。それぞれに支援の得意分野がありますが、それを相互に活かしきれていない状況が続いています。訪問支援に関しては、悪徳業者や強制力の強い支援団体の影響で偏った見られ方をされています。結果的に適切な情報が当事者や家族に届かない状況が生まれ、当事者に対しての直接的な関りを持つことが出来ず、ご家族も見守ることしかできず、ひきこもりのさらなる長期化に繋がっています。当事者の人権を考えて対応するのは当たり前ですが、それを支える家族の人権も守られねばなりません。家族だから支えて当たり前との認識が日本では根強くあります。コロナ禍において、多くの家庭に余裕がなくなって来て、ただ支え続けることは困難であり、結果的に家族の中で二次的な問題が発生する可能性が高まります。当事者も家族も安心して支援に繋がってもらえるように、訪問支援や自立支援の有りように関して、多くの方々と議論をし、支援領分を明確にしていく活動を進めていきたいと考えております。

 

 今年一年がどのような年になっていくのか、暗い靄が立ち込め続けていますが、法人全体で、明るく前向きに今の課題を取り組んでいこうと考えおりますので、さらなるご支援、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。