【2023年】新年を迎えて  理事長 河野久忠

新年あけましておめでとうごいます。

 コロナウイルスが蔓延し、早三年となりましたが一進一退の攻防が続いております。また、その中でウクライナに対するロシア軍の侵攻が起り、世界経済も低迷していく状況で明るい未来が見えず、現在の若者たちにとっても辛い状況かなと感じております。

 しかしながら、YSCを利用してくれている皆さんはそんな世相を言い訳にせず、自分の進むべき方向性を模索しながら日々がんばっております。

 YSCグローバルスクールにおいては、いち早くウクライナからの避難民の受け入れを表明し、早い時期から対応することで予期せず来日されたウクライナの方の定着支援を実施いたしております。右も左も分からず、不安だらけで日本の地に来た状況で、早い段階で繋がりを持つことが出来たことは大きな安心材料になったようです。また、日本各地においても海外にルーツの有る方向けの支援に対する熱が高まり、地方自治体からのオンラインを活用した連携要請も多くなり、政府からの意見聴取の機会も多々ありました。

 また、若者支援に関しても休眠預金の助成金を活用した、「森の仕事体験合宿」を企画、実施いたしました。ひきこもり等に限っての企画ではなく、広く若者に林業と言う仕事を知ってもらう企画です。以前、高知県において支援を実施していた関係で現地の協力も得て、14泊15日の体験合宿を高知県四万十市で実施し、11月開催は定員の8名の参加者を募ることができました。定職の有る方・フリーターの方・世界を旅している方等々多彩な

 20代~30代の若者が参加し、林業の基本や伐採した木材でサウナを作るなど様々な共通の課題を取り組みました。YSCとしての支援の基礎は宿泊ですので、この間に、語り合い、様々な価値観に触れる機会を持つことにより、モヤっとしていたご自身の将来に関して、明るい何かが見えたのではないかと感じています。

 コロナ禍でオンラインのニーズが高まりましたが、あらためてリアルな人と繋がりの重要性を感じております。YSCの宿泊型支援で一番大切に思うのは、他者と近い距離で、リアルに知り・感じ・そして楽しめることです。きれいごとを言っていてもしょうがないので、素直に自分の欲を出せるようになってもらいたないなと思います。それが、未来に向かっての活力にも繋がっていくと考えます。

 コロナ禍によりひきこもり支援にも変化が出てきています。80-50問題等含めて、対応しなくてはいけない層も広がり、困難ケースも増えています。何度もお話ししてきていますが、一つのひきこもり支援機関で、どんなタイプでも対応できるというのはあり得ないと考えます。自治体の相談窓口は拡充されるのは良いことですが、出口の部分になる支援の確保は急務ですが自治体ごとに設置することは予算的にも、人的にも難しいのが現状です。今必要なのは現在有る支援を生かし、官民含めた横のネットワークを構築するしかないと考えます。民間のスキルの高い支援を、公的な機関が生かせる枠組みも重要です。選択肢の幅が広がれば支援のミスマッチも減り、多くの方が適切な支援を利用できるようになると考えます。このあたりのモデルとなる仕組み作りも積極的行っていきたいと考えています。

 コロナが長期化したからといってずっと立ち止まっているわけにはいかないので、今年も動き出すためのきっかけになる仕掛けを職員一同考えて進んでいこうと思っております。本年もどうぞよろしくお願いいたします。